「やめろォっ!!」 一護が力一杯叫んだ。 「な! 何だあいつ!?」 動揺したのは、テレビ局のスタッフである。 「警備! 何してんの!!」 スタッフの声に、数名の警備員が一護に飛び掛った。 「はなせよ…ッ! でないと、大変なことになんだぞ!!」 一護は必死に大人達を振り払おうとするが、霊の姿が見えていない者達にいくら言っても無駄だ。 「一護っ!! こっちへ来い! 死神化するぞ!!」 ルキアがそう叫ぶが、ルキア自身も取り押さえられ身動きが取れなくなっていた。 「ど、どうしよう… 一護… 朽木さん…」 はおろおろとするばかりで、どうする事も出来なかった。 自分が飛び出しても、二人を助けることは出来ない。 逆に、もし何かあったら? 二人をもっと困らせてしまう。 「しずかにしろ!!」 ゴッ 警備の一人が、一護を殴った。 「いやっ、一護…!!」 いてもたってもいられず、は飛び出し… グッ 「!」 誰かに、腕を引かれた。 「あ、あなたは…?」 『 ゴァアアアアア 』 半虚が激しく鳴いた。 バン バンッ バンッ それを戒めている鎖が、音を立てて引き千切れる。 「いかん! 一護!!」 ルキアが叫んだ。 「わかってるよ!! はなせっ!! ちくしょう!!」 一護が激しく暴れた直後だった。 トン 何か衝かれ、体から魂魄が抜け出た。 「て… だ… 誰だ…!?」 小さく首を振った一護の声に。 「…う……… 浦原…!!」 ルキアが続いた。 「どうも♡」 扇子を片手に、一護達を助けに来たのは浦原だった。 「ゲ… ゲタ帽子…!? どうしてここに…」 「ホラ。 ボーッとしてないで早く行かないと、黒崎サン。」 一護の声を遮って、浦原が言う。 「そ… そうだ!!」 本来の目的を思い出し、一護は駆け出した。 『 ごああぁ 』 「やめろ!!」 半虚の悲鳴に眉を寄せ、ドン観音寺に飛び掛る。 「な…」 突然その場に現れた死神姿の一護に、ドン・観音寺が目を丸くする。 バキン 「!」 一護は息を飲んだ。 『 が・ あ゛・あ゛ぁ 』 「まさか… 遅かったってのかよ…!?」 半虚は苦しそうな呻き声を上げて… ドォンン 激しい爆音と共に、その姿を消した。 「 ――― き… 消えた…? 虚になるんじゃねぇのか…!?」 |