「………」 蹲るように膝を抱えていたが、顔を上げた。 (………止まった…) 尸魂界の霊圧の、異常な震えが止まった。 白哉と一護の間に、決着が付いたのだろう。 「…白哉………」 確かに分は白哉にあった。 しかし。 ――― 突然現れた、一護の内面に住まう敵。 あの霊圧は… 「…!」 は息を飲んだ。 (この霊圧… そんなバカな…) 覚えのある霊圧を感じる。 その人はもう、尸魂界にはいない筈なのに… I WISH ... 第15章 砕け行く心 怒り、憎しみ、哀しみ、戸惑い… 負の感情なんて必要ない 鎮まれ ――――― 場所は、四十六室の為の居住区域。 「…久し振りだね。 …雛森くん。」 その声、その姿… 雛森は言葉を飲み込んだ。 信じられなかったが、再び見る事の出来たその姿に、嬉しくて涙が零れる。 「君を部下に持てて本当に良かった… ありがとう、雛森くん… 本当にありがとう…」 雛森を優しく抱き締める、藍染。 次の瞬間。 「さよなら。」 ドッ その胸を、貫いた。 突然のその行動に、目を、耳を疑う。 信じられなくて… 自分の胸に視線を落とすと… 藍染の斬魄刀に、貫かれていて… 「嘘。」 ドサ…ッ ゆっくりと、その体が倒れる。 「…行くぞ、ギン。」 雛森を見据えて、冷たく吐き捨てたそれは。 藍染惣右介その人だった。 |