貫かれた胸が熱い。

 指一本も動かせないそんな状態なのに、意識だけは妙にはっきりしていた。

「…驚いたな。 こんな小さなものなのか… これが "崩玉"…」

 藍染はルキアから取り出した崩玉をまじまじと見据えていた。

(…あれが… "崩玉"………)

 浦原は、あんな物を創っていたのだろうか。

(あんな物の為に………)

 が唇を噛んだ。

 あんな物を創り出そうとしたために、尸魂界から追放される事になったのだろうか。

 そう思うと悔しかった。

「…ほう、魂魄自体は無傷か… 素晴らしい技術だ。」

 ルキアの体から傷が消えてゆくのを見て、藍染が頷いた。

「…だが残念だな。 君はもう、用済みだ。」

 首輪を摘んで、小さなルキアの体を持ち上げる。

「殺せ、ギン。」

 が息を飲んだ。

「…しゃあないなァ。」

 市丸が首を竦める。

「射殺せ "神槍"。」

 一護が身を捩った。

 動きたくても…

 体が動かない。

 市丸の斬魄刀が、ルキアに伸びる。







I WISH ...

            第17章 破壊者








たとえば私が 何の力も持たない 普通の少女として生まれたのなら

貴方は私を受け入れただろうか








「………」

 が目を見張った。

 藍染が視線を投げる。

 ルキアを貫くはずだった市丸の斬魄刀は…

(…白哉………)

「…兄……… 様…!」

 ルキアが目を丸くした。

 藍染の手から、そして市丸の攻撃からルキアを護ったのは。

 朽木白哉 その人だった。

 何も言わず、その眼はただ、語った。

 護る!! ―――


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