ガタ。

 六番隊・副隊長室。

 突然の物音に、恋次が眉を寄せた。

「何だぁ〜?」

 と、物音のした方、窓際へ視線を投げる。

 強い風でも吹いたのだろうか?

 窓が揺れていた。

と。

「! !?」

 現世に向うと言葉を残して消えた

 そのが、窓の側、膝を抱えて蹲っている。

(今の物音は、コイツか…)

 恋次はの側に屈んだ。

「おい、どうした? 何で窓から………」

 恋次は言葉を飲み込んだ。

 気のせいではない。

 は震えている。

「お、おい…!」

 恋次がその肩を揺するが、は膝に顔を埋めたまま、恋次の方を見ようともしない。

「チッ…」

 恋次は小さく舌打ちをした。

「待ってろ、今、朽木隊長を呼んで…」

「呼ぶな!!」

 恋次の声を遮るように、が声を上げた。

「なっ…何だよ………」

「大丈夫だ… しばらく放っておいてくれ…」

 俯いたままが首を振った。







I WISH ...

            第4章 深い傷跡








この空に手を伸ばしたら

何が掴めるだろう








 恋次は困ったように頭を掻いた。

「日番谷隊長がお前を探してるぞ。 俺今から、その人と手合わせの約束をしてるんだ。 一緒に来るか?」

 恋次の声に答えたのは、ではなかった。

「その必要はない。」

 突然の声。

 恋次は驚いて目を丸くした。

「…朽木隊長………」

「下がれ、恋次…」

 否と言わせぬ霊圧。

 恋次は何も言わずに副隊長室を出た。


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