花火



「チケットがあるんです。 プール行きませんか?」

 に電話で誘われて、藤真はプールに来ていた。

 今人気の遊園地。

 夏はプールも兼ねている。

パシャッ。

「先輩、何ぼ〜っとしてるんですか?」

 >が首を傾げた。

 水玉柄の赤い水着、パレオの合わせ目から覗く白い足に、一瞬目を奪われる。

「いや、可愛いなと思って。」

 にっこり笑った藤真に、は少し赤くなる。

 予想通りの反応に、藤真は細く笑った。

 正直、が自分を誘ってくれたのは嬉しかった。

 しかし、翔陽も湘北も明日は練習がある。

 あまり遅くまではいられない。

 もう夕方、そろそろ上がった方がいいだろう。

ちゃん、そろそろ…」

「あ、先輩! ジェットコースター乗りましょうよ!」

 に手を引かれ、藤真はそれに従った。

 体を拭けば、水着のままで乗れるのだ。

 に連れられるままに、ジェットコースター、ウォータースライダー・バイキング… などを回った。

 中々タフである。

「先輩、こっちです!」

 そろそろ辺りも暗くなって来た。

 アトラクションなどは、ライトアップされている。

 は藤真の手を引いて、ある場所で止まった。

ちゃん、明日に響くよ?」

 が積極的なのは嬉しいが、明日は練習だ。

 無理をさせる訳には行かない。

「先輩、ほら!」

 の言葉の直後だった。

 大きな音と共に、夜空に花火が上がった。

 しばし花火に見惚れながら、藤真は思った。

 これを見せるために、こんな時間まで連れ回したのだろう。

「…気分転換になりましたか?」

 藤真は狐に抓まれたような顔をした。

「何で…?」

「元気がないみたいだったから。」

 ここ数日、藤真はイライラしていた。

 一種のスランプだろうか、伸び悩んでいたのだ。

「他校のマネージャーに心配されるなんて… 情けないな。」

 藤真は自嘲気味に笑った。

「先輩は、一人で頑張りすぎなんですよ。」

 藤真と目が合うと、はにっこりと笑った。

 肩の力が抜けたような、そんな錯覚を感じる。

「ありがとう。 がんばるよ。」

 の頭を撫でて、藤真は細く笑った。



× × × × × × × × × ×



亜椎 「セイ様のリクで、甘々です。」
藤真 「プールか… 行きたいな。」
亜椎 「元気のない藤真を励ます、健気なヒロイン。」
藤真 「ありがとう、ちゃん。」
亜椎 「セイ様、応募ありがとうございました。」


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