「藤真! どこへ行く?」 牧が声をかけた。 藤真はベッドから抜け出し、ふらふらした足取りでドアの方へ向っている。 「…を探しに行く。」 「無理は止せ。 自分の体を考えろ。 まともに歩けもしないで何を言ってるんだ。」 少しキツイ口調で、嗜める。 藤真は首を振った。 「…約束したんだ。 は、俺が守る。」 立っているだけなのに、息が上がる。 湖が堪えたのだろう。 「気持ちはわかりますけど、無理はいけませんよ。 チャンを見つけるより先に、藤真さんが倒れちゃいますよ?」 危ない足取りで歩く藤真の腕を、神が支えた。 「仙道の言う通りです。 藤真さん、少し休んで…」 藤真は神の腕を振り払った。 (俺がついてたのに。) もしもに何かあったら。 きっと、自分が許せないだろう。 『…しっかり守れや。』 (言われなくてもわかってる。) +---------------------------------------------------------+ 切なさ全快、藤真先輩。 余裕があるようで、内心いっぱいいっぱいなんですね。 さてさて。 何故、樋口くんの言葉ばかりが過ぎるのでしょう? 次回で、少しPGが絡みます。 '05 4/6 亜椎 深雪 |