「…っくしゅん! …きゃぁ!」

 大きなクシャミの音に、木の上に積もっていた雪が落ちて来た。

「何やってんだよ、ったく…」

 三井が、雪の中からを引っ張り出してやる。

「じゃぁな、祖父ちゃん! また来るから!」

 祖父に元気に手を振って、清田が小型バスに乗り込んだ。

「早く乗らないと、置いていきますよー。」

 神が声をかける。

「行くぞ、。」

「はい。 お世話になりました。」

 ぺこりと頭を下げて、三井に次いでバスに乗る。

 全員を乗せた事を確認して、バスは出発した。

「色々あったけど、無事で何より。 楽しかったね♪」

 仙道が言った。

 藤真とは、無事戻って来た。

 ただ、体を冷やしたのだろう。

 二人仲良く、寝込んだのだ。

「もう一回くらい滑りたかったなー。」

 窓の外を見ながら、が呟く。

「また来年来ればいいじゃんか。 ホント、無事でよかったっすよ二人とも。」

 清田が嬉しそうに言った。

 湖が見える。

「…気のせいだったのかな。」

「どうした?」

 隣に座る藤真に訊ねられて、は何でもないと首を振った。

 咲き誇る桜の木を、確かに見た。

 あれは夢だったのか。

 桜の木から、だんだん離れて行く。

 山ばかりのこの地には、まだ雪が残っている。

 しかし。

 大きな桜の木の一振りの枝には。

 春の訪れを告げるように、小さな蕾が姿を見せていた。

 いわく憑きの話がどう言う結末になったかは、謎のままだが。

 この年。

 とてもキレイに、桜が咲いたと言う。



+---------------------------------------------------------+



とりあえず、完結と言う事で。

途中、無理矢理な感じでしたが…

何か…

謎が深まっただけですね。(苦笑)

神奈川オールスターと言いながら、さんはやっぱり藤真に愛!

改めて、実感しました。

初期構想と色々変えたので、想った以上に時間がかかりました。

お付き合い下さり、ありがとうございます。

                           '05 4/7 亜椎 深雪


back