「ん〜、気持ち〜!」 「ほら、ちゃん。 髪が濡れるよ。」 「二人とも、若いわね… お肌ツヤツヤじゃない。」 「何言ってるんですか! 彩子さんだって! ね、ちゃん?」 「うふふ、冗談よv それにしても、… 肌白いわね。」 隣の女湯から聞こえて来る会話に、男達はただ沈黙を守っていた。 「ちょっと、彩子さんっ! どこ触ってるんですか!」 照れたようなの声。 「…俺、上がります。」 清田信長、早くも上せる寸前で湯から上がった。 「…オ、オレも。」 桜木花道、後に続く。 「あはは〜、二人とも可愛いなあ。 何を想像しちゃったのかな?」 仙道が可笑しそうに笑った。 その横で越野が真っ赤になっている。 「…越野、無理しないで上がれ。 上せるぞ。」 藤真が苦笑った。 越野は頷いて、清田、桜木の後に続いた。 牧が溜息を吐いた。 「…風呂くらい静かに入れんのか。」 女湯の事を言っているようだ。 肌が白いだの、ツヤツヤだの…。 隣が男湯だと知っての会話だろうか。 「元気があっていいじゃないですか。」 神がにこっと笑った。 「そ〜ですよ、牧さん。 元気があるのはいい事です。」 仙道が頷いて、続ける。 「それにしても… ちゃん可愛いよね。」 「…手を出すなよ。」 藤真が軽く仙道を睨んだ。 「さぁ、どうですかね?」 仙道は首を竦めただけで、曖昧に答えた。 藤真は溜息を吐いた。 「………お前の手に負える子じゃないんだよ。」 小さく呟いた言葉は、誰の耳にも届かなかった。 「じゃ、俺も上がるよ。」 藤真を軽く見据えて、神が溜息を吐いた。 「なぁ、神。 藤真さんとちゃん、出来てんの?」 宮城が唐突に訊ねた。 「幼なじみなら知ってんだろ。」 神は細く笑って首を振った。 「と藤真さん、そんな関係じゃないよ。」 「なら、神と出来てんの?」 仙道が話しに喰い付いて来た。 そんな様子を見て、つまらない三井。 (そんな関係じゃないだと? …ならどんな関係だよ。) 三井は湯から上がった。 これ以上、不快な思いはしたくない。 |