清田の気持ち



「神さんも、藤真さんも…ナンカ違うんすよ。」

布団の上であぐらを掻きながら、清田がぼやいた。

就寝時刻直前のただ今、桜木は晴子とロビーで話し込んでおり、おやすみ3秒の流川は既に眠りに就いている。

梅の間には、清田以外に仙道しかいなかった。

「ん、何が違うって?」

缶コーヒーを飲みながら、仙道が首を傾げた。

「…ちゃんに対する態度っすよ。何か、こう…割れ物を扱うみたいで…」

しどろもどろ、言葉につまりながら、清田は必死に訴えた。

「どうしようもないくらい好きなのに、今以上に距離が近付くのを拒んでるって言うか…その、何て言うか…」

そこまで言って、清田は頭を掻き乱した。

「だぁ〜、何言ってるかわかんね〜っ!」

空になった缶を脇に置いて、仙道が細く笑った。

「で、ノブナガ君は妬いてるのかな?」

仙道の言葉に、清田は勢いよく顔を上げた。

「だ、誰にだよっ!」

清田のその反応すら予測していたのか、仙道のポーカーフェイスは崩れる事はなかった。

勢い余って怒鳴り付けたもの、毒気のないその笑みに、清田は小さく溜息を吐いた。

「…わかんないんすよ。」

少し俯いたまま、清田は続ける。

「…ちゃんって可愛いし、いい子だし、俺も好きだし…」

かぁっと赤くなった清田に、可愛いなと思ってしまう。

「幼なじみだとか、世話になった先輩だとか…俺より先にちゃんに会ったなんて、たったそれだけで…!

………ちゃんをとられたくないんすよ。 ただでさえ、俺の知らない事を二人は知ってるのに…

E・Hだって、誰か教えてくれないし。」

俯き加減で清田が続ける。

「…ちゃんの、足の怪我…可哀相だと思うし、

神さんも藤真さんも優しいのに…もっと、どうして他人を頼れないかなって思うと…

何か、気持ちがいっぱいいっぱいで………」

清田はもう何も言わなかった。

仙道は細く笑った。

「ノブナガ君は素直ないい子だね。」

無意識に頭を撫でられて、清田はもう一度赤くなった。



× × × × × × × × × ×



 ノブ〜v
 可愛いです、コイツは!
 ショートドリーム、清田視点。
 短文ながら、お届け致しました。



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