それぞれの気持ち - 藤真 -



 まったく、話に聞いた以上だな。

 人の学校まで来て、言う事がちゃんの事なんて。

 まぁ、ちゃんはマイケルが来た事なんて、知らないんだろうけど。

 俺の顔をじろじろと…。

 何か言いたい事があるなら、はっきり言えばいい。

 俺は、責められても、何も言えないんだから。

 ちゃんが、"アイツ"の事を、誰かに話したなんて事は多分ない。

 全てを知っているのは当時の、泉沢のバスケ部の中でも、ほんの一部に過ぎないんだから。

 怪我の事は、知っているだろう。

 一体どこまでどうやって読んでいるんだか。

 食えない奴だ。

 もう一人の方も気になるな。

 そっちの方は、ちゃんもいくらか心を許している風はある。

 二週間か。

 きっと、長く感じるだろうな。

 今度こそ、何もない事を祈るよ。



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