週刊バスケットボール



『お前には関係ない…』

 何かと構ってくれる、兄のように慕っていた神が、冷たく言い放った。

 突き放されたような、気がした。

ちゃんはっ…! 絶対に譲らない!!』

 啖呵を切ったのが、つい先程。

 神に、何か言って欲しかった。

 何も言わなかったが、その瞳が言っていた。

お前には無理だと。―――――

「ちっくしょう…」

 一度目を閉じても、イライラが治まりそうもない。

「あ〜、腹立つ!!」

 ベッドの脇に置いてあった少年ジャンプを、思いっきり投げると。

「ゲ。」

 それはタンスに当たって、タンスの上に積み重ねられていた昔の雑誌が勢いよく落ちて来た。

「信長〜! 何やってるの、片付けなさいっ!!」

 一階の母に怒鳴られ、清田はしぶしぶ身体を起こした。

「ちくしょう、厄日だ。」

 雑誌を一つずつ拾い上げる。

 好きなアーティストの特集雑誌や、バスケ雑誌ばかりで、懐かしく思う。

 一つ、目を引いたものがあった。

― 全中冬の大会 更科まさかの敗北! 泉沢初優勝!! −

「あ、ちゃんの特集だ… 懐かしい、そう言えば買ったよな。」

 ぱらぱらとページをめくって見る。

 様々なアングルで写されている少女、やはり小さい。

(俺も小さかったからな。 ちゃんがいなかったら、バスケ諦めてたかも知れない。)

 ふと、一つのページで、手が止まった。

「!?」

 雑誌を、めいっぱい顔に近づける。

「コイツ…」

 開きいっぱいに、三人の姿が写されていた。

 藤真と、一人の少年。

 が優勝カップを片手に、二人に駆け寄っている。

「思い出した… 俺、コイツを知ってる。」

 携帯電話。

 いてもたってもいられず、のメモリを探していた。



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