大阪 - アイスキャンディー -



 南、岸本に連れられて。

 樋口は久しぶりの、は初めての大阪を楽しんでいた。

「お。」

 樋口が何かを見つけた。

「南ちゃん! アイスキャンディー!」

 きらきらと目を輝かせて、南を見上げる。

「ココはアズキが美味いんや。」

 店を覗く南。

「ほんま甘いな〜。」

 岸本が笑った。

「お前にはやらんで。 おばちゃん、アズキ3つな。」

 岸本を軽く睨んで、南が二人にアイスキャンディーを差し出した。

「へへ♪ ゴチ☆」

「わーいv ありがとうございます。」

 二匹の子犬に懐かれた気分である。

 高い丘の上の木に登り、赤く染まった大阪の町並みを見ていた。

「明日は何か予定あるんか?」

「ん。 南ちゃんと岸もっちゃんと、遊ぶねん。」

 南の問いに、当たり前のように答える。

「せやな。 明日迎えに行くわ。」





 南、岸本と別れて、二人で日の落ちかけた道を歩いていた。

「なー。 せっかくこうして大阪来たんやから、何か記念になるもんを残したいなー。」

 唐突もなく、樋口が言った。

「記念?? んー… どんなの?」

 が首を傾げる。

「そや! タイムカプセル! 二人でどこかに埋めるんや!」

「ん! 楽しそう!」

 手を叩く樋口に、が頷いた。

「ほな、帰ったら早速作ろうか。 なんかワクワクしてきた!」

 家路を少し早足で歩いた。



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