愛知 - 週刊バスケットボール -



「大阪に帰ってたんだ?」

 ケーキを食べながら、談笑。

「せや。 楽しかったよなー☆」

「なー☆」

 樋口の言葉に、が続いた。

「俺、炎の友達に敬語とか使って話されたくないから。」

 最初に、諸星がこう言った。

「大ちゃんもバスケやってるの?」

 の問いに、頷く。

「ん、4番。 そう言えば、俺ね、ちゃんの事知ってるよ。」

 諸星は本棚を漁って、一冊の雑誌を取り出した。

 週刊バスケットボール。

「ほら。」

 ぱらぱらとページをめくって、右の隅を指差す。

 樋口とは覗き込んだ。

『泉沢大健闘!!』

 そんな見出しから始まり。

「何々… "毎年初戦敗退とは思えない、"、放っとけや。 "いいチームである。" そやろ? "目立っていたのは、一回りも二周りも小さい12番の選手。"」

 続ける。

「"知る人ぞ知る泉沢のジンクス。 惜しくも敗れたが、更科相手に一点差まで詰め寄ったのは、大健闘である。 冬の大会に大注目である。"」

 小さいが、写真も載っていた。

「…ちょっと恥かしいな。」

 がぽりぽりと頭を掻いた。

「P.N. N.N 。 この人の記事って当たるって評判なんだよね。」

「…コレ、冬は勝たなあかんな。」

 諸星の声に、樋口が続いた。

「ん。 一緒にがんばるんだよね。」

 が、にっこりと笑った。

 その笑顔に、一瞬言葉を失う。

「…いい子だね。」

 諸星が、の頭を撫でた。

「ほんま、エエ子や。」

 樋口が嬉しそうに笑った。



back