飲み会 〜湘北〜



「・・・いいや。 先に帰っちゃおう。」

 こっそりその場から逃げ出そうとした

 はっきり言って、酔っ払いの世話など誰もしたくない。

 店を出ようとして、腕を捕まれた。

(う・・・ 三井君かな?)

 捕まったと諦めたに、予想外の人物の声が届いた。

「一人じゃ危ないから、俺が送るよ。」

「え? ・・・小暮君?」

 小暮はを見つめてにっこりと笑った。

「ほら、時間も遅いからさ。」

「あ、ん。 ありがとう。」

 と小暮は、修羅場(笑)をこっそり抜け出した。



、大丈夫? 少し飲んだだろ?」

「大丈夫よ、おかげで一杯で許されたし。」

 にっこり笑ったに、小暮は首を竦めた。

は、二年からマネージャーになったんだっけ?」

 はコクンと頷いた。

「彩ちゃんに少し遅れて、マネで入部しました。」

 は続ける。

「楽しかったよ。 バスケの事全然わからなかったけど、皆と一緒にいた時間が楽しかった。」

 は小暮を見上げた。

「夏は、惜しかったね。 でも凄いよ、山王に勝ったんだもん。」

「皆頑張ったからな・・・。」

 小暮は頭を振った。

「・・・俺は、見てる事しかできなかったけど。」

 は真っ直ぐに小暮を見つめた。

「そんな事ないよ。 赤木君と一緒に、三年間頑張って来たんだから。」

 落ち込んだような小暮の頭を、背伸びして撫でる。

「三井君が帰ってきた時も、桜木君や流川君が問題を起こした時も、小暮君はどうするのが一番いいのか考えてくれたよね。」

 にっこりと微笑まれ、小暮はわずかに赤くなった。

「あ、あのさ、・・・ 俺、ずっと言いたかった事があるんだ・・・・・」

 が首を傾げる。

 小暮は一息吐いて、言葉を紡いだ。

「ありがとう。」

 は目をパチクリする。

 小暮は照れたように頭を掻きながら、続けた。

「辛い時、ずっとに励まされてたんだ。」

「あたしは何もしてないよ?」

 小暮が首を振る。

の笑顔が、いつも元気をくれたんだ。 ここまで続けられたのも、がいたからなんだ。」

 は困った。

「えっと・・・その・・・・・」

 何か言うべき言葉が見つからない。

 困ってしまったに、思わず笑みが零れる。

「お互い、大学でも頑張ろうな。」

「・・・うん。 頑張ろうね。」

 にっこり笑って、は小暮と並んで月が照らす夜道を歩いた。



× × × × × × × × × ×



 さん、一人で帰るおつもりだったんですか?
 そんな訳ないでしょう♪
 メガネ君ドリームです。
 連載に出てこないキャラです。
 この人相手にドリーム書いたの、初めてです。
 その内、OBとかで登場させましょうかね〜。



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