「ずっとスキでした。その、流川くんがイヤじゃなかったら、私とつきあってくださいっ!!」 突然呼び出されて何かと思ったら告白された。 後で言われたのだが、普通異性に呼び出されそれが屋上などだった場合は告白かも、と期待していいらしい。 半分くらいの確率で「協力して」という話らしいので期待しすぎると泣きをみるらしいが…… とにかく、この時俺の頭には眠いとか部活とか、そんなことしかなかったから・・それなりに驚いた。 誰だって思わない、こんな調子のいいこと。 顔を真っ赤にしたを前に、俺は小さく深呼吸した。 「別にいいけど」 「そうですか……」 俺の言葉に沈んだ声でそう言った後、は勢い良く顔を上げた。 きょとんとした顔で俺を見ること2分。 「え……?」 「…………なんだよ」 「だって、今……」 今、というにはちょっと時間が経ちすぎだろう。 は目の前で目を擦ったり頬を叩いてみたりしている。 「ヘンな女…」 独り言のつもりがはピタッと動きを止めて、かと思うとますます真っ赤になってわたわたと慌てはじめた。 ……なんていうか、すごいヘンな女だとは思う。 でも目が離せない……というより見てて飽きない。 「話はそれだけか?」 「あ、はい」 「じゃぁ、部活行くから…オメーも来い」 「ふぇ?なんで…ですか???」 「何でって…そういうもんじゃねーの?」 「そう、なんですか?じゃぁ…お邪魔します」 ガチガチに緊張してます、という動きが笑える。 何か、話そうとは思ったけど結局黙ったまま体育館についてしまった。 とりあえず適当なところにいろと伝える。 はまわりの視線を気にしつつ体育館のスミに立った。 俺が着替えようとから目を離し部室へ向かった途端、背後から先輩たちの声がした。 「ねぇ、あなた。名前は?」 「え?あ、です。」 「ちゃんね、私は彩子。よろしくね」 「あ、はい。よろしくお願いします」 振り返るとペコッとが頭を下げていた。 「俺、三井。三井寿」 「あ、知ってます。3ポイント、いつもすごい綺麗ですよね」 「サンキュ。見ててくれたんだ?」 「え?あ、えっと……」 俺を見てたついでだ、とか。 そんな台詞を期待したわけじゃないけどその反応はマズイ。 「だっけ?彼氏とかいんの?」 「え!?あ、あの……」 さっそく呼び捨てだし、それにの反応にますます笑顔になってる。 そこに「彩ちゃーん、何してんの?」なんて言いながら寄ってくる宮城先輩。 ハッキリ「いる」といわないに不思議そうに彩子先輩が首を傾げる。 「ま、いいや。この後ヒマ?」 にこにこしながら口説きにかかる三井先輩に思わず舌打して。 「何してんスか?」 言いながら三井先輩の横に立つと不機嫌そうな表情で睨まれる。 無視して三井先輩を押しのけるとはホッとしたような焦ったような複雑な表情をしていた。 「何だよ、流川。邪魔すんな」 「あ、あの」 「………めんどくせぇ」 周りが興味津々と言った表情で見ていたことは知っていた。 らしくねぇとも思う。 ただ、こいつがこんな調子じゃ三井先輩みたいな輩がこの先も出るに違いない。 とにかく危なっかしい、は。 「俺の、彼女なんで」 そう言って片手でを抱き寄せると驚愕の声が上がり、が固まる。 どこにいたのか桜木まで来て「嘘だ」とか「ありえない」とか騒いでいる。 それを一瞥して固まったままのの手をひいて部室へと入る。 ようやく我を取り戻したが何度か瞬きをして。 「あの、流川くん…?」 「楓でいい。俺もって呼ぶ」 「え?なんで?」 「…そういうもんだろ。だから、さっきみたいな事聞かれたらハッキリ俺の名前だせ。…俺以外の男に口説かれてんじゃねぇよ」 その言葉にはきょとんとして。 半信半疑、そんな目で俺を見た。 「…好きでもねぇやつとつきあったりしない。そんなことできる程俺は器用じゃない」 ずっと見てた。 多分、お前よりもずっと前から……。 柔らかな髪に触れそっと口吻ける。 ホント、らしくねぇけど、バスケ以外に夢中になることに自分でも途惑って…。 泣かせるかもしれないと思うと怖くなった。 アメリカに行ける事になったら、待ってろなんて言える訳がない。 半端な想いはどちらもダメにするだけだと分かっていても…手放せそうにない。 「流川く…じゃ、なかった。えっと、楓、くん?」 黙ったままの俺を不審に思ったのだろうか。 首を傾げながら不思議そうに俺を見上げる。 名前を呼ばれただけで狂いそうなのに、会えなくなったらどうなるんだろう。 「部活とか、してんのか?」 「私?してないです」 「……部活、終わるの遅いし、その後も少し練習するんだけど」 「待っててもいい?」 待っててほしいと言えない俺。 それを知ってか優しく微笑む。 「ちゃんと送ってくから」 そう言うと嬉しそうに頷いて部室を出て行くを目で追った。 バスケを選んでアメリカへ…なんて、無理な話だと自覚する。 だからといって諦めるつもりはないし、捨てられるわけがない。 だから、その時が来たらついてこいと言えるようになるまで。 ―――俺の我が儘でしかなくても、この先ずっと一緒にいられるように 未来に保証なんてないけど。 今日から少しづつ、そうすればいつか。 夢を夢で終わらせる気はないから。 3250hitの亜椎深雪さまのリクエストです 流川で内容はお任せとの事なったのですが… なぜかミッチーが…いえ、私の中では硬派な彼です!! 流川の一人称は難しいですね…しゃべる時はしゃべるのに。 いい具合に意味不明に話飛びまくりな感じで申し訳ないです。 そして大変お待たせしてしまってごめんなさい。 いつでも返品可ですので気に食わなければ言ってくださいね そして3250hitありがとうございましたvv × × × × × × × × × × 蔵月紅南さまより、キリ番3250で頂きました。 流川ですv おまかせとの事でしたので、内容に悩んだと思いますが(すみません)、 素晴らしいドリームをありがとうございました。 |