が小さく息を吐く。 いつものように、英語で捲くし立てて逃げ切ろうか。 そう思ったとき。 グイッ 腕を引かれた。 「悪い… 待たせたな。」 振り返ったそこには。 「ま、牧さん…?」 が目を丸くする。 突然現れた牧を見て、男達は舌打ちをして去って行った。 「ありがとうございます、牧さん。」 が頭を下げる。 「いや、構わない。」 牧がを見据える。 「一人か? どこまで行くんだ?」 「はい。 藤真先輩に、ケーキを届けに…」 「藤真に? あぁ、誕生日か…」 の声に、納得したように頷いて、牧が続ける。 「途中まで送ろう。 危ないからな。」 「ありがとうございます。」 頭を下げて、首を傾げる。 「牧さん、どこか行ってたんですか?」 「練習がない日は、図書館で勉強してるんだ。付属高校と言っても、 一応受験生だからな。」 湘北の問題児軍団に見習わせたい言葉である。 「じゃ、気を付けろよ。 藤真によろしく伝えてくれ。」 「はい、ありがとうございました。」 牧と別れて、一人道を急ぐ。 着いた! |