「ん、赤いリボンにしようかな…」

 きれいに出来上がったケーキを箱に入れて、赤いリボンを巻く。

(そう言えば…)

 リボンをかけようとして、の手が止まった。

「…炎くんも… 赤い色が好きだったっけ………」

 こうして一人でいると、決まって樋口の事を思い出す。

 は小さく息を吐いて首を振った。

(ダメだ… しっかりしなきゃ…)

 気を取り直して、リボンを巻いた。

「ん、よく出来ました。」

 一人、頷く。

「さてと。 先輩に届けに行こうかな。」





 一人、日の暮れかけた道を歩いていると。

 前にいた三人の男と目が合ってしまった。

 男達は、真っ直ぐ、に向かって歩いて来る。

(あちゃー…)

 が眉を寄せる。





どうしよう…



逃げよう…





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