探しに行く。



 もうすっかり日の暮れた、薄暗い道を歩く。

 ヒタヒタヒタ…

「?」

 が眉を寄せた。

 ヒタヒタヒタ…

 気のせいではない。

 誰かにつけられている。

 人気のない道。

(ヤダ…)

 小走りで走り去ろうとしたと同時に。

グイっ

 腕を掴まれた。

「きゃぁあ!」

バキィッ

 が悲鳴を上げたと同時だった。

「み、水戸くん…!」

 水戸洋平が、の腕を掴んだ男を殴り倒した。

「おっさん、いい年して恥かしくねーのかよ!」

 洋平に睨まれて、男は逃げるように去って行った。

「ありがとう、水戸くん…」

 よほど怖かったのだろう。

 その場に座り込んだまま、が洋平を見上げる。

「大丈夫か?」

 洋平が手を差し伸べた。

「こんな時間に、一人で出歩くなんて危ないだろ。 たまたま俺が通ったから良かったけど。」

 を立たせてやって、洋平が続けた。

「送ってくか?」





「ん… お願いしてもいいかな?」



「あ、でも…」





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